理学療法士としての病院勤務時代、産婦人科にかかる女性のリハビリに携わった経験があります。

切迫早産の影響から安静を強いられ、体力がなくなり、身体のあちこちに不調が出てしまった妊婦さんや産後直後から尿もれがひどく、排尿コントロールができず生活に支障が出てしまった女性、骨盤内の臓器が腟から下りてきてしまう(骨盤臓器脱)症状に悩む高齢女性など、女性特有の悩みや症状を解消するために関わらせていただきました。

 

実際に関わった産前産後の女性の中には、「もっと楽しい妊娠生活を送りたかった」「腰が痛すぎて自分一人じゃ歩けない」「自分のことで精一杯で赤ちゃんのことを考えられない…」といった苦しさ、辛さを吐き出してくださった方もいます。

このような辛さをなかなか人に打ち明けられない方や、「妊娠しているからしょうがない」と身体の不調を当たり前に思ってしまっている女性が多いということに気が付きました。

 

それと同時に、早い段階から身体のケアに関わることができた妊婦さんからは、「専門職の方から身体の使い方や運動の方法を聞くことができて本当に良かった。入院中でもできることがあるんだと思い嬉しかった。決して楽しい妊娠生活ではなかったけれど、坂本さんとリハビリする時間がとても楽しかった。」という言葉をかけて下さった方もいます。

 

そのような経験から、女性にとってとても大きく、素敵で、奇跡的な妊娠・出産というライフイベントを心から楽しめずに過ごしていらっしゃる女性を少しでも減らしたい、治療が必要となる前の段階から女性の身体を整えるサポートができたら、もっと気軽に悩みを相談できる場所をつくることができたらと考えるようになりました。

女性が女性であることを楽しめるように、女性であるからこそ感じられる充実感を得られるように、女性である前に一人の人として自分自身をもっと好きでいられるように、私は、そのきっかけ作りと継続したサポートをさせていただきたいと思っています。